ソフトウェア(アプリ)の中には、使用するファイル・フォルダーがCドライブに固定されているものがあります。小さなサイズであれば問題なくとも大きなサイズであると難儀してしまう事もあるでしょう。そんな時はシンボリックリンクを活用すると、外付けハードディスクやNASなどCドライブ以外(Dドライブなど)に保存することができるようになります。
シンボリックリンクとは?
ファイルやフォルダー(ディレクトリ)を指し示す “別のファイル(リンク)” のことです。作成されたシンボリックリンクは、別の場所に保存されているファイル・フォルダーを “あたかも” その場所にあるかのように扱うことができます。
歴代のWindowsにあるショートカット機能と似ていますが、これはファイル・フォルダー本体へアクセスできるようにするための “道しるべ” であり、ショートカット自体はあくまでも「ショートカット」と言う種類のファイルでしかありません。
それに対してシンボリックリンクは、対象のファイル・ディレクトリとみなして動作するため、あるアプリケーションが参照するフォルダーを別の場所に移動してしまっても、移動先を指し示すシンボリックリンクを元の場所に作成すれば、そのシンボリックリンクが 元のフォルダー と見なされるので、移動させたファイル・フォルダーを問題なく参照することができるようになります。
シンボリックリンクを作成する手順
シンボリックリンクの作成は非常に解りにくいので、例として iTunesのバックアップ先を外付けしたDドライブへ移動させる方法 を順を追って実行してみたいと思います。
- CドライブのMobileSyncフォルダ配下にあるフォルダー “Backup” を外部ストレージへ移動させます。
AppDataは隠しフォルダーとなっているので注意してください。
C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\Apple Computer\MobileSync
- コマンドプロンプトより「MobileSync配下にBackupフォルダーが無い」かつ「D:\Backupフォルダーが在る」状態で、コマンドを入力しEnterキーを押下します。
必ずしも管理者である必要はありませんが、シンボリックリンク作成時に『権限が無い』旨のエラーが出る場合があるので、その場合は コマンドプロンプト(管理者) を起動します。
mklink /D "C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Roaming\Apple Computer\MobileSync\Backup" D:\Backup
- コマンドプロンプトに “シンボリック リンクが作成されました” と表示されれば、MobileSyncフォルダー配下に「D:\Backupへのシンボリックリンク」が作成されます。
“既に存在するファイルを作成することはできません。” などとエラーが表示される場合には、コマンドの順序が逆であることが多いです。
iTunesのバックアップフォルダーに対して、シンボリックリンクを作成するやり方は以上です。
これでiTunesがMobileSync配下のBackupフォルダーを参照すると “D:\Backup” が参照されるようになります。
このようにソフトウェアによっては、データを保存するフォルダーがCドライブから変更することができない場合があります。SSDなどを使用していると空き領域が少なくなりがちなので、シンボリックリンクを活用して大容量の外付けHDDなどへデーターを移動させるとディスク領域を有効活用することができるでしょう。