格安SIM(MVNO)を契約する際、少しでも月々の料金を抑えようと “データ通信専用SIM” を契約する人が居ますが、様々な問題を抱えているので良く理解したうえで契約することをオススメします。このため、格安SIMを契約する際に「音声通話は必要ない」と言う場合には、データ通信専用SIMでは無く “SMS対応データ通信SIM” をオススメします。
2つの回線
携帯電話やスマートフォンは、大きく分けて2つの通信があります。
一つは音声通話に使われる “音声通話回線” で、もう一つはインターネット接続(Webサイトの閲覧やメールの送受信など)に使われる “データ通信回線” です。
NTTドコモを始めauやソフトバンクで携帯電話やスマートフォンを通常通りに契約すると、2つの回線を同時に利用できる状態になるので問題になることは無いですが、格安SIM(MVNO)で “データ通信専用SIM” を契約すると問題が生じることがあります。
データ通信専用SIMの問題
格安SIM(MVNO)の黎明期に各社がこぞってサービスを開始した “データ通信専用SIM” では “データ通信回線” しか使用できない為に様々な問題が発生します。
セルスタンバイ問題
セルスタンバイ問題とは、スマートフォンにおいて「セルスタンバイ」と呼ばれるアプリの電池使用率が異常に高くなり、バッテリーの減りが極端に早くなる問題です。
そもそもセルスタンバイとは「電波を探している」と言う状態で、電波のない所(いわゆる圏外)では最大出力で電波を探してしまうことからバッテリーの消耗が激しくなる現象です。
機種によっては発生しないこともありますが、Androidスマートフォンでは発生することが多いです。また、この現象はiPhoneでも起きるようです。
アンテナピクト問題
アンテナピクト(アンテナアイコン)が「×になる」「圏外になる(通信はできる」と言った問題があります。
セルスタンバイ問題と同様に機種によっては発生しないこともあります。
原因は?
これらの問題のほとんどは「音声通話回線が使えない」と言ったことが原因です。
電波の “強度” や “有無” は音声通話回線を使って受信測定しているため、データ通信専用SIMだと「電波なし」と判定されます。
そのため、アンテナピクト(アンテナアイコン)が “×” や “圏外” の表示になったり、電波を受信するべく常時探索する現象が発生します。

対策方法
音声通話回線が使用できるようにすれば良いので「音声通話回線を使用できるSIMカードを使用する」と言うのが一番簡単な解決方法です。
音声通話回線が使用できるのは “音声対応SIMカード” はもちろん “SMS対応データ通信SIM” でも可能です。
また、これに関連して “GPS” の一部機能が音声通話回線を利用しているので注意してください。

