スマートフォンの界隈でよく耳にするようになった「HDR」と言う言葉ですが、使われている機器によって少々異なった意味を持っています。
2つの意味を持つ言葉
昨今、よく耳にするようになったHDRと呼ばれる機能には、搭載されている機器によって大きく2つの意味があります。
1つは、テレビやスマートフォンなどに搭載されているディスプレイに使われる技術[HDR]で、これはHigh Dynamic Range(ハイダイナミックレンジ)の略です。
もう1つは、カメラなどに使われる技術[HDR]で、これはHigh Dynamic Range Imaging(ハイダイナミックレンジ合成)の略とされています。また、紛らわしいことからか[HDRI]や[HDR写真(HDR画像)]などとも略されることがあります。
2つのHDRの違いは?
同じ略称で紛らわしいので、以後はディスプレイなどに使われる技術を[HDR]と呼び、カメラに使われる技術を[HDR写真]と呼びます。
次世代の高画質[HDR]とは?
これまでのディスプレイは[明るさ]に関する表現力は低く黒潰れや白飛びなどが発生していました。この黒潰れや白飛びを抑え暗いところから明るいところまで光をよりリアルに映し出す技術がHDRです。
このため、昨今のテレビでは「HDR対応」と謳われていることが多くなっていますが「HDR対応」を謳うのに明確な基準があるわけでは無く、HDR信号の入力に対して出力ができていれば[対応]と言えてしまいます。
そのため、実際には満足な能力が無い製品もあるので購入する際には注意が必要でしょう。
2つの画像を掛け合わせる[HDR写真]とは?
スマートフォンやデジタルカメラで写真(画像)撮影すると、肉眼で見るよりも「暗くなった」「明るくなった」と言う場合があります。現代のカメラは捉えることのできる明暗差が人間の目に比べて狭いため、カメラの設定(露出など)によって「暗くなった」「明るくなった」と言うことがあります。
このため、カメラでの撮影時に「露出の異なる画像を複数枚撮影」し「それを合成」することで、良いところ取りした1枚の写真を作り上げる技術がHDR写真です。
ディスプレイの[HDR]もカメラの[HDR写真]も明暗をポイントとし「より良い物」を作り出す為の技術なので似たようなものですが、技術的には「多少異なるもの」と考えておくと良いかもしれません。