昨今のSIMフリースマートフォンでは、2枚のSIMカードを使うことができる機種が増えてきました。これは “デュアルSIM” と呼ばれていますが、どのようなメリットがあるのでしょうか?
デュアルSIMとは?
“デュアル” とは『二重』を意味する言葉です。そのため、スマートフォン本体に2枚のSIMカードを挿入することを “デュアルSIM” と呼んでいます。
このデュアルSIMは「通話とデータ通信を分ける」や「仕事用とプライベート用を分ける」と言ったことが可能になったり、ドコモやau、ソフトバンクなどキャリアのSIMカードと格安SIM(MVNOなど)のSIMカードを組み合わせて「音声通話はキャリアのSIMカード、データ通信は格安SIM(MVNOなど)のSIMカード」と言ったような使い分けを行うことができます。
このように、様々な使い方のできる “デュアルSIM” ですが、機種によっては同時待ち受けができなかったりと、その挙動には差異があります。
デュアルSIMの種類
デュアルSIMは大きく4つに分けることができます。
DSSSとは “Dual Sim Single Standby” の略で、2枚のSIMカードのどちらか一方しか使用することができないので、SIMカードを切り替えて使う必要があります。
DSDSとは “Dual Sim Dual Standby” の略で、2枚のSIMカードの両方で待ち受け(4G+3G)ができます。ただし、データ通信中に音声通話の待ち受けは可能ですが、音声通話中にデータ通信はできません。
DSDAとは “Dual Sim Dual Active” の略で、2枚のSIMカードを同時に動作させる(4G+3G)ことができます。そのため、音声通話中にデータ通信を行うことが可能です。
DSDVとは “Dual SIM Dual VoLTE” の略で、2枚のSIMカードにおいてVoLTEを利用することで、両方4Gで待ち受けすることができます。ただし、音声通話中にデータ通信はできません。
種類 | 待ち受け | 同時 |
---|---|---|
DSSS | × | × |
DSDS | 4G+3G | × |
DSDA | 4G+3G | 通話+通信 |
DSDV | 4G+3G 4G+4G |
× |
デュアルSIMの注意点
2016年09月現在の日本では、携帯電話の通信規格に4G(LTE)と3G(CDMA)の2つが使用されています。しかし、デュアルSIM対応機種の中には一方のSIMカードは4G/3Gに対応しているが、もう一方は2Gの通信規格にしか対応していない場合があります。
日本では2Gのサービスは使用されていないので4G/3G+2GのデュアルSIM対応機種は、通常のシングルSIMスマートフォンと変わらなくなってしまいます。そのため、日本国内でデュアルSIM対応機種を使用するためには、4G/3G+4G/3Gや4G/3G+3Gであることが必要になる点に注意が必要です。
また、2つのSIMカードを同時に動作させることにより、バッテリーの消費電力も大きくなります。